ビンの悪魔、という童話がありまして、
「このビンを買うと願いがかなう。でも、買った時よりも安い価格で売らないと災いがふりかかる」
かいつまんでいうとそういう不思議なビンを題材にした話でして、今回はそれをモチーフにしたゲーム「ボトルインプ」を紹介します。1995年からあるゲームなのですが、日本語版が2017年秋のゲームマーケットにて、数奇GAMESというところから販売されました。
ルール
基本的にはマストフォローのトリックテイキングです。
※トリックテイキングにピンと来ない方は、こちらを参照。
http://gamefarm.jp/rule/trickplay.html
もし「ペッパー」や「スカルキング」をやったことがあるのならルールの基本はそれらと同じです。
カードの内訳が特殊で、一枚のカードで記されているので一目で分かるようになっています。色は赤黄青の3色、数字は1から37で重複はありません。
また、コンポーネントはカードだけでなく木製のびん(いい感じのでき)がついていて、ゲーム開始時は「19」のカードの上に置いてあります。
配り切ったあと、各プレイヤーは手札から2枚選び、それぞれを左右のプレイヤーに渡し、更に別の1枚を裏向きにして共通の場に秘密裏に19のカードの下に伏せておきます。
トリックの勝利判定は結構特殊です。
- 勝利判定に色は関係ない
- ①ボトルが置いてあるよりも少ない数字がない場合、大きい数が強い
- ②ボトルが置いてあるよりも少ない数字を出した人がいる場合、その中で最も高い数字が強い
これはどういうことかというと、ゲーム開始時の最強カードは18ですが、18以下の数字で勝つたびに最強カードが下がっていく、という仕組みになっています。
例えば、この場合は黄色の15が勝ちます。(後述しますが、1は割と困ったカードなので早めに切りたかったんだろう、というのが想像できる場面です。)
次のトリックでこんな感じになった場合は、青の8が勝利します。そして、ボトルは右の人に移ります。
勝利点
勝利点は取ったカードに描かれているコインの合計数量となります。しかし、もし終了時にボトルを持っている場合は、得点がゼロとなるばかりか、最初に全員が一枚ずつ伏せていたカードのコイン数だけマイナスになります。ですので、1に近いカードはそれで買ってしまうとボトルを持ったまま、誰にも押し付けられなくなってしまうので、早めに勝たないトリックで出してしまいたいのです。
総評
トリックテイキングのひりひりする感じに童話の内容がうまいことリンクしており、まずそこに感動しました。
基本的にやりたいことととしては「序盤は18付近のカードで勝っていいが、最終的にはボトルを誰かに押し付けたい」「数が極端に少ないカードは早めに切りたい」といったところで、この辺りを意図通りに進めるには最初に渡したカード、伏せたカードと出されたカードを記憶しておく事が重要です。
勝利判定は数字のみ、という点が結構変わってる気がします。(間違えやすいルールかもしれません)この辺り、トリテになれた人よりも逆に慣れていない人の方が親しんで遊べるかもしれません。欠点を上げるとすれば対応人数が2-4と縛りが大きいところくらいで、本当にデザインが秀逸なゲームです。僕は大好きですよ。胃が痛い思いをしながらも、何度もプレイしたくなる、まさに「悪魔の」ゲームと言ってよいでしょう。