- 作者: ファーイースト・アミューズメント・リサー,遠藤卓司
- 出版社/メーカー: ファーイースト・アミューズメント・リサー
- 発売日: 2019/08/03
- メディア: 単行本
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- 高校生となり日常の恐怖と遭遇するTPRG
- 判定はクトゥルフ神話と同じD100%
- 特徴的なシステム① 感情技能
- 特徴的なシステム② 呪障
- 特徴的なシステム③ 調査ポイント
- 呪障による、恐怖と遭遇するワクワク感
- 感情は扱いづらい?
- クライマックスはあっさりしすぎ?
- 掲載シナリオが◎
- 新たなホラーの定番となるか
高校生となり日常の恐怖と遭遇するTPRG
PCは全て高校生という設定です。クラスの人気者だったり、アスリートだったり、オタクだったりと様々なタイプを作成可能です。キャラクター作成の際には「スタイルパック」「パーソナリティパック」という能力値や技能値が決定されるテンプレートを選ぶことで、あまり迷わずに作成することができます。(フリーに割り振れるポイントもあるので、自由さも担保されています。)また、F.E.A.Rではおなじみの出自表、経験表といたものもあるので、バックグラウンド設定もばっちりできてしまいます。
判定はクトゥルフ神話と同じD100%
クトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: サンディピーターセン,リンウィリス,中山てい子,坂本雅之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2004/09/10
- メディア: 単行本
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判定は全てD100で行われます。目標値は、使用している技能以下の数字となります。95以上でファンブル、知能値の5分の1以下の出目ならクリティカルの扱いとなります。クトゥルフ神話TRPGになじみのある人なら、かなり似ているなーと思うわけです。
特徴的なシステム① 感情技能
キャラクターに対し、感情を取ることができます。これはポジティブとネガティブの2つの側面があり、それぞれの合計値が100になるようにダイスロールにて割り振られます。(偏りは80:20、20:80まで)
各技能で判定を行う直前に、その人に対し持っている感情を踏まえた演出を添えて、感情判定を行うことができます。これに成功すると次の技能判定の成功率が上がりますが、失敗すると下がります。
失敗したときのリスクを負いながら、キャラクター同士の関係性を活かしたロールプレイを引き出すためのシステム、と解釈しています。
特徴的なシステム② 呪障
キャラクターが恐怖と遭遇することにより「呪縛」という数値がたまっていきます。これは、クトゥルフ神話における正気度に相当するもので、限界まで溜めるともう日常に帰ってくることはできなくなります。
呪縛がたまっていくと、段階ごとに「呪障」がキャラクターに様々な影響を与えます。例えば、見えないはずのものが見えるようになったり、判定にプラスの修正が付いたりします。呪障の効果はシナリオごとに設定されており、受けてみるまでその内容はプレイヤーには分かりません。
特徴的なシステム③ 調査ポイント
このゲームには調査対象が項目としてGMから提示されます。ダブルクロスやトーキョーN◎VAと同じですね。その調査の判定に使う技能は、プレイヤー自身が決めることができます。ただし、どのようにしてその技能を活用するのかをGMに説明しなければなりません。これはシノビガミ、インセインとよく似ていますね。調査が成功すると情報が出るだけではなく、CP(クルーポイント)を溜めることができます。これは、クライマックスにおける攻略の難易度に関わってきます。また、消費することで出目の操作や振り直しなど様々な恩恵を受けることができます。呪障による、恐怖と遭遇するワクワク感
スクリームハイスクールにおいて、もっとも面白いと思ったポイントが前述した呪障まわりのシステムです。恐怖と遭遇することにより呪縛がたまり、キャラクターがどんどん非日常の世界へと足を踏み込んでいく、という恐怖と遭遇することへの楽しさを与えてくれます。恐怖はできるだけ避けていきたい、とはならないわけですね。誰でもホラーを楽しめるという点では、非常によくできていると思います。
感情は扱いづらい?
感情がポジティブとネガティブのどちらに傾くかはダイスロールにより決定されるので、どれだけ悪いキャラクターがいてもめちゃくちゃ友好的にならざるをえなかったり、またその逆もあり得ます。ですので、ロールプレイする上で思うようにいかないような場面ができることが割と想定されます。このあたりはルールを整備して「どちらの感情に偏らせるかは自由に決めてよい」くらいのハウスルールを適用した方が楽しめるんじゃないかと思います。
クライマックスはあっさりしすぎ?
クライマックスは怪異との戦闘が行われますが、これは「克服判定」というものに成功することで即座に終わりを迎えます。ですので、振ってみて出目が良かったらかなりアッサリ終わってしまうのです。「戦闘は避けるべき」という文言もあることから、恐らく意図したデザインなのでしょうが、せっかくのクライマックス、もうちょい楽しめる要素があってもいいのかなと思いました。
掲載シナリオが◎
わたしがプレイしたのは、掲載されているうちひとつ目の「クロスロード」だったのですが、情緒あふれるとっても素敵なシナリオでした。適度に怖く、適度に死の恐怖を味わいながらも、終わった時の心の充足感はかなりのもので、初めてプレイするものとしてはばっちりだったと思います。他に2つのシナリオが掲載されていますが、ざっと読んでみた感じとてもよさそうです。
新たなホラーの定番となるか
呪障まわりのシステムを中心に「恐怖と遭遇する楽しみ」という点において優れており、更にF.E.A.Rのノウハウが詰まっており、トータルでみて良くできたシステムだと感じました。クトゥルフ、インセインなどの現状の定番ホラーを上回るタイトルとなれるのか?今後の動向が楽しみです。
テーブルトークRPG 呪印感染 (Role&Roll Books)
- 作者: 力造,N.G.P.
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2019/09/12
- メディア: 新書
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呪印感染という新しいホラーTRPGも発表されています、こちらも楽しみです。