今回紹介するのは、BGGのレートで8.2、ランキングで現在62位という高評価のゲーム「クランズ・オブ・カレドニア」です。
- 出版社/メーカー: Karma Games
- メディア: おもちゃ&ホビー
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舞台は19世紀後半のスコットランド。プレイヤーたちはそれぞれの「クラン(氏族)」を率い、品物の生産や取引を経て繁栄を競います。
ゲームの流れ
各ラウンドは4つのフェイズで行われます。5ラウンド終了すると、最終得点計算になります。
準備
前のラウンドで使った商人コマの回収、輸出契約タイルの補充など、必要な処理をします。
アクションフェイズ
以下の8つの行動のうち、どれかひとつを行います。
① 交易
商品の売買をします。利用可能な商人コマをボードに配置することで、1種類の商品を複数個買うか売るかできます。それにより品物の価格が変動しますので、次以降の交易に影響します。商人コマはラウンドの最初に戻ってきます。② 輸出契約ひとつの獲得
ボード上にある輸出契約を獲得し、自分の倉庫スペースに置きます。ラウンドごとにコストが決まっており、1ラウンド目では逆に5金を獲得できます。③ 拡大
自分のコマが置いてあるところから、隣接している空きのマスにプレイヤーボードからコマを取り置きます。置くためにはそのマス固有の金額とコマごとに決められた金額の合計を支払います。これにより品物やお金の生産力を高めることが出来ます。 他プレイヤーに隣接しているマスに拡大したとき、その他プレイヤーの生産できる品物を3個まで購入できます。(①の交易アクションと同じ処理)またこの際、コストが3金安くなります。④ 船舶輸送力の向上
4金を支払うことで、船舶輸送力を上げることができます。こうすることで、マスの間を流れる川や、海のマスを飛び越えて拡大ができるようになります。⑤ 道具の改良
決まった金額コストを支払うことで、配置した労働者が得るお金の生産力を上げることができます。⑥ 商人ひとりの雇用
4金支払うことで、利用できる商人コマがひとつ増やせます。⑦ 輸出契約ひとつの履行
特定の品物を消費することで、持っている輸出契約を倉庫から出し手元に置きます。勝利点になるだけでなく、即時効果が得られる場合もあります。⑧ パス
これを行うと、もうそのラウンドで他のアクションはできません。早くパスしたプレイヤーからお金のボーナスを高い順に得られ、また次ラウンドの手番が早くなります。生産
プレイヤーボード上に見えている(=自分のコマをフィールドに配置した)分だけ、品物を獲得できます。また、パン、チーズ、ビールは特定の品物を消費することで獲得(加工している)できます。得点計算
ゲーム開始時に決まる、ラウンドごとの条件で得点を獲得します。いわば中間決算です。最終得点計算
所持している品物やお金の数、ラウンドごとに獲得した得点、輸出契約の履行により獲得した品物の数に応じ加点し、もっとも高かったプレイヤーの勝利です。氏族ごとの能力
開始時に決まる氏族ごとに能力があります。ある品物に特化したものなど、方針がある程度決まってきます。
例えば、この氏族は生産フェイズに牛乳を捨てることで8金に変換できます。とりあえず牛乳を生産してね、と言っている人です。
総評など
テラミスティカを参考にして作られた、ということで似通った部分がありますが、かなり自由度が高い感じです。施設を建てたり能力強化するのがほとんどお金だけでできてしまうので、生産での収入を増やすか、できるだけ貴重な品物を売ってお金を稼ぐのは超重要な行動になってきます。
この物価の変動システム、がなかなか秀逸です。ボードを見れば、どの品物がみんな欲しがっているのかがばっくりと分かります。何が貴重な品物かを見極め、それをできるだけ自分で生産し売って稼ぎたい。そのための建造のお金はこう工面して…という経営力が強く求められます。
輸出契約も重要な得点源になるのですが、そこで得る3種類の希少品(綿花、タバコ、サトウキビ)は輸入された数が全体で少ないほど高得点になりますので、少ないものを取りたいがために、同じものを集めすぎて逆に得点が下がってしまう、なんてことが有り得ます。ここでも価値を見極める力が必要です。
4人プレイでルール説明込みで3時間半と、テラミスティカと比べ時間は7割くらいに軽くなってる印象ですが、プレイ感はなかなか濃厚で、また違うベクトルでかなり面白いです。特にリソースをどう利用するか、売るか輸入に使うかとっておくか、の判断はかなり頭を使います。 なんとか平日の夜に遊んでも無理のないくらいの重さには抑えられているなので、複数回遊んでその奥深さと経営の面白さを味わいたいと思います。