[ストーンマイヤーゲーム]Stonemaier Games Viticulture: Essential Edition STM105 [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: Stonemaier Games
- メディア: おもちゃ&ホビー
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ワーカープレイスメントの中でも評価の高い「VITICULTURE」がずっと気になっていたのですが、アークライトから日本語版が12月のゲームマーケットで先行販売がされましたので、さっそく購入しました。今回はそちらの紹介になります。
VITICULTUREとは「ぶどう栽培」とかいう意味だそうです。日本語版タイトルには「ワイナリーの四季」
ざっくりとしたゲームの流れ
1ラウンドは1年に対応しており、春夏秋冬の各フェイズでできることが異なる。
- 春:ラウンドの手番順を決める(起床計画を決める)
- 夏:ワーカーを配置してアクションを行う
- 秋:特殊能力カード《訪問者カード》を引く
- 冬:ワーカーを配置してアクションを行う
- 夏にブドウの木を植える
- 冬にブドウを収穫、ワインへ醸造させる
- できたワインを出荷する⇒勝利点ゲット
自分の畑に植樹。以降は収穫のアクションでラウンドに1回ずつブドウを獲得できるようになります。
初プレイして感じたこと
初プレイは3人で。対応人数が1~6人なのでベストよりは少な目かもしれません。インストに15分ちょい、ゲーム時間は2時間弱かかりました。
このゲームはワープレでありながら、ひとつのアクションがひとりしかできない、ということではなく
- 人数によってスペースが1~3になる。例えば3人プレイだと各アクション2スペース。
- 《親方コマ》はスペースの空き具合に関係なく配置できる
ちなみに、夏と冬のフェイズでできるアクションはそれぞれで異なる上に、夏で使用したワーカーは冬が終わるまで帰ってきませんので、「冬にも働かせたいから、このワーカーは働かせずにとっておこう」といった計画性も必要になるのが特徴です。
早起きすればボーナス取得のチャンス
スペースが複数あるとはいえ、1番に置くことに旨みを持たせているのが各アクションに設定されているボーナスの存在です。
ドローするカードが2枚になったり、勝利点が貰えたり、収穫や醸造といった重要なアクションの回数が増えたりと、なかなか馬鹿にできないものが多いです。早起きは3文以上の徳はありそうです。
3つのマルの中央に、コインなどのアイコンがありますが、これがボーナスです。特に同じアクションが追加されるものは強力。
訪問者たちがとにかく強い。
特殊能力カードに相当する《訪問者》のカードは主に秋のフェイズで手に入れることができるのですが、これの効果が単に補助的なものではなく1枚で1アクションを超える効果を余裕で叩き出してきます。
例えば、このゲームのワーカーを増やすアクションは《労働者の訓練》で、これには4金が必要なのですが、同じアクションを2金でできるカードがあったり、です。
まずはカードを引いて、その効果を元に方針を決めていくのは戦略としては常套手段かもしれません。なんかアグリっぽいですね。
ワインを売るまでには手間と時間がかかるのね
前述のとおり、このゲームの主な勝利点数を稼ぐ方法はワインを作って売ることなのですが、その流れを少し詳細に記すと
- 《ブドウの樹カード》を取得する
- 《植樹アクション》でブドウの樹カードを畑にセットする
- 《収穫アクション》でブドウを獲得する
- 《醸造アクション》でワインを獲得する
- 《注文カード》を獲得する
- 《出荷アクション》で獲得したワインを消費して勝利点を得る
後半になると一気に加速する勝利点獲得戦
前述の通りゲーム序盤はワインを作るための下地を整える必要があるため、初めはあまり勝利点が入ってきませんが、ひとたび準備ができてからの展開は早く一気に勝利点レースが始まります。さらに終了条件が「誰かが20勝利点を得たとき、そのラウンド終了時」なため、誰かがブドウを出荷し始めるとそれに追いつくようにしないといけない、といった展開になるのかと思います。
焦らずじっくりワイン造りする様はまさに「ワイナリー経営疑似体験」
一度プレイした感想としては「とにかくじっくりとゲームが展開し、ひとたびワインが完成してから一気に勝利点を稼いでいく」という、序盤は「こんな感じでちゃんとプレイできてるのかな?」と多少不安になってしまうくらいですが、一度下地が整い一気にサイクルが回り始めると「頑張った甲斐があったわ~」と感慨深い気持ちになり、かつ終わった後は「次回はもっと計画をもってこうしていけば…」と再プレイ欲が強いゲームと感じました。とても面白かったです。この「ワイン造りは一日にしてならず」というゲームデザインはまさに「ワイナリー経営疑似体験」ゲームという意味では見事にマッチしているのかと思います。
さほどルールは難しくなくテーマも分かりやすいのですが、オープンなゲーム会でというよりは、知った仲でまさにワインでも飲みながら、じっくりまったり遊ぶにはもってこいのゲームだと思います。
もちろん飲みましたとも。