ツォルキン Tzolk'in: The Mayan Calendar [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: Czech Games Edition
- メディア: おもちゃ&ホビー
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ツォルキンはワーカープレイスメントでありながらシステムが独特で、アグリコラやナショナルエコノミーなどで見られる「ワーカーを置いたらすぐにアクション実行」ではなく、ワーカーを置くのに1手番、取るのに1手番とかかり、そのふたつを同じ手番で同時にできない、というじれったくもあり奥が深い仕様になってます。
勘のいい人なら、このルールを見た瞬間に「じゃあできるだけワーカーを沢山置いて、一気に取るのを交互にやっていくのが効率がいいな」と気づくと思いますが、待っていればスペースが進んでいき強くなる、ということを考慮しても概ねその理解は合っていると言えます。ラウンド数は27、置いて抜いてを交互に繰り返していくと最大で13(+1)回数のアクションを行うことができます。(歯車を2つ進めることをした場合は、もちろんその限りではありませんが)
しかしそう単純なはずがなく、たくさんワーカーを置く、または強いアクションに置く場合にはそれだけコストのコーンがかかります。
そこで湧いてきた疑問が、 じゃあ何人まで置くのが一番お得なんだ? ということで今回はそれについて検証してみたいと思います。
前提条件
- ワーカーを置いたすぐ次のターンに全て抜く(アクションを実行)ものとする
- いったん、コーンが得られるペレンケの歯車だけに置くものとして検証する
- 取得する資源は木ではなくすべてコーンでとれたものとする
- 緑を自分の、赤を相手プレイヤーの駒とする
- 配置ワーカーは1~5までとする(6はトゥーマッチな気がした)
- コーンの数をもとに、表で数値を比較します。見方はこちら
1.ワーカーがひとつも乗っていないとき
配置人数 | 配置イメージ | 配置コスト | コーン収支 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
初期値 | 技術Lv1 | 技術Lv2 | 技術Lv3 | |||
1 | ● | 0 | 3 | 3 | 4 | 4 |
2 | ●● | 2 | 5 | 6 | 7 | 9 |
3 | ●●● | 6 | 6 | 8 | 9 | 13 |
4 | ●●●● | 12 | 7 | 10 | 11 | 17 |
5 | ●●●●● | 20 | 8 | 12 | 13 | 21 |
2.ワーカーが0に乗っているとき
右隣プレイヤーがひとつ置いた次の手番などで起きる状況
配置人数 | 配置イメージ | 配置コスト | コーン収支 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
初期値 | 技術Lv1 | 技術Lv2 | 技術Lv3 | |||
1 | ●● | 1 | 3 | 4 | 4 | 6 |
2 | ●●● | 4 | 5 | 7 | 7 | 11 |
3 | ●●●● | 9 | 7 | 10 | 10 | 16 |
4 | ●●●●● | 16 | 9 | 13 | 13 | 21 |
5 | ●●●●●● | 25 | 9 | 14 | 14 | 24 |
3.ワーカーが0と1に乗っているとき
右隣プレイヤーがふたつ置いた次の手番などで起きる状況
配置人数 | 配置イメージ | 配置コスト | コーン収支 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
初期値 | 技術Lv1 | 技術Lv2 | 技術Lv3 | |||
1 | ●●● | 2 | 3 | 4 | 4 | 6 |
2 | ●●●● | 6 | 6 | 8 | 8 | 12 |
3 | ●●●●● | 12 | 9 | 12 | 12 | 18 |
4 | ●●●●●● | 20 | 10 | 14 | 14 | 22 |
5 | ●●●●●●● | 30 | 9 | 14 | 14 | 24 |
4.ワーカーが1に乗っているとき
誰かがひとつ置いた次のラウンドなどで起きる状況
配置人数 | 配置イメージ | 配置コスト | コーン収支 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
初期値 | 技術Lv1 | 技術Lv2 | 技術Lv3 | |||
1 | ●● | 0 | 3 | 3 | 4 | 4 |
2 | ●●● | 3 | 5 | 6 | 7 | 9 |
3 | ●●●● | 8 | 7 | 9 | 10 | 14 |
4 | ●●●●● | 15 | 9 | 12 | 13 | 19 |
5 | ●●●●●● | 24 | 9 | 13 | 14 | 22 |
5.ワーカーが1と2に乗っているとき
誰かがふたつ置いた次のラウンドなどで起きる状況
配置人数 | 配置イメージ | 配置コスト | コーン収支 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
初期値 | 技術Lv1 | 技術Lv2 | 技術Lv3 | |||
1 | ●●● | 0 | 3 | 3 | 4 | 4 |
2 | ●●●● | 4 | 6 | 7 | 8 | 10 |
3 | ●●●●● | 10 | 9 | 11 | 12 | 16 |
4 | ●●●●●● | 18 | 10 | 13 | 14 | 20 |
5 | ●●●●●●● | 28 | 9 | 13 | 14 | 22 |
見えてきた傾向
だーっとケースごとに羅列してみたものを俯瞰してみると、いくつかの傾向が見られたのでそれをまとめとします。
- 技術が初期値の場合は、5人置くと収支が4人より少ないケースがあるので注意。そうでなくても、5人目を置いたことによる旨みは小さい。4人から+1コーンとか
- コストに対して得られるコーンの割合は、人数が少なく3のスペースに置けたときが高そう? ⇒コーンが少ないときは2人か3人が効率よくコーンを稼げるかも
- 技術Lv1のときは、前述の2人か3人置くのが効率としては良い。それ以上置いても上がり止まる
- 技術Lv2での恩恵は数の観点からは微々たる旨みしかない(0に置いて+1個)ので、はやく3に上げよう
- 技術Lv3まで上げれば、手持ちの許す限りガンガンおいてOK
こんな感じです。なんというか、意外性はなかったです。ツォルキンをよく理解している人には自然と肌感覚で理解できていることな気がしますし、知らない人にはなんのこっちゃよくわからんという感じだと思いますが、なんとなく見えた傾向を参考にして実戦でも置き方の参考にできれば有利に進められる、かもしれません。あとはコーンではなく木を取ったり、他の歯車に置いたりしたいときにもある程度した情報として知っておくと活かせるかと思います。
また、今回の表は表計算を使って自動で収支をはじき出せるようにしたのですが、いろいろいじくりまわしているときの「俺は一体何を目指しているんだろう」感はなかなか楽しかったです。(小並感)