今年2017年のドイツゲーム大賞において、エキスパート部門大賞は「EXIT 脱出:ザ・ゲーム」の3作品でした。
強力型謎解きゲームが大賞、ということで「そう来たかぁ」という感は否めないのですが、それだけ面白いと評されていると解釈すれば内容には期待できます。ということで、遊んできました。覚え書きの意味も含め、ネタバレ抜きの感想を紹介します。
遊んだメンバーはわたし含め4人、うち全員が脱出ゲームの経験は多少なりともあり、という具合です。
共通のシステム
脱出の要素をどのようにしてコンポーネントで表現しているかというと、ある形で手に入れる情報を解いていくと暗号が出てくるので、それをダイヤル式の円盤に入力すると、特定のカードをめくれるようになり、それが本当に正解していれば次のヒントが出てきて先に進める…というものです。上手いこと「きっちり正解しないと先に進めることはない」仕組みになっており、更に「部屋に閉じ込められている」という状況も表現されているのはよくできてるなーと感心したポイントです。イマイチ想像ができないかもしれませんが、そこは実際にやってみて確かめてください。
ゲームには時間制限があり、クリアまで短いほど高評価です。また、どうしても詰まったときは「ヒントカード」をめくることができ、めくり続ければ正解まで到達するのでどうしても分からず解けないまま終わる、ということはありません。ただし、使った分だけクリアした評価が下がります。まあここはできるだけヒント無しでクリアしてね、というチャレンジ要素になります。
1作目:荒れはてた小屋
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- 発売日: 2017/09/28
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クリア時間はおよそ63分、ヒントカードは1枚めくりました。1時間を切りたかったが残念…
謎自体はそこまで難解すぎるほどでもなく、特に前半はかなりスムーズに解くことができました。後半で若干難しいところでつまずいてしまい、だいぶ時間をくってしまいましたが、無茶ぶりというほどでもなく全体を通して割と良質な謎が続いていた印象です。慣れた人なら1時間切りも全然いけると思います。解いた後のすっきり感はなかなかのものでした。
2作目:ファラオの玄室
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クリア時間はおよそ75分、ヒントカードは5枚もめくってしまいました。1作目よりも難易度は明らかに高かったです。
1作目とほぼシステムは同じなので導入自体はスムーズだったのですが、前半に与えられる謎で若干モヤるポイントがあります。これって和訳ミスなのでは?と疑ってみたくなっちゃうみたいな。全体を通しても、前作と比べ「これ何をしたらいいかは分かるけどめんどくせえなぁ」と思う作業的な要素もいくつかあり、満足度は下がった印象は否めません。謎のギミックは前作よりも楽しめるところが数点ありました。最後のやつとか、なるほどねーという感じです。
総評
面白いんですが、エキスパート大賞を取るほどか?と言われると期待しすぎない方がよかったかな、という印象でした。同じくノミネートされていたテラフォーミングマーズと比べると、それを上回るほどか…と言ったら疑問があるかなと。普段わたしも嗜んでいる、日本で一番有名な謎解き制作をしている団体がいかに質の高いコンテンツを提供しているかがよく理解できました。
遊ぶ上での注意点:1回こっきりと割り切ろう
今回はカフェにてレンタルのものを使用して遊んだのでコンポーネントは原状復帰、で遊んだのですが、もったいないと思わなければ1回きりと割りきって、切ったり折ったり書いたり好き放題した方が絶対に面白いです。ストレスフリーで遊べます。どうしてもやりたくないのであれば、隣にカラーコピーを用意して必要な時にコピー、加工をするという方法を取るのがいいかと思います。