ボードゲーム将軍のお座敷遊戯ブログ

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【ボドゲ紹介】サントリーニ / Santorini ~シンプルなルールで作り上げる美しい景観~

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世界一美しいとも言われる、サントリーニ島がテーマのボードゲームが発売

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白い建物に丸い屋根と真っ青な海。ギリシャサントリーニ島の美しい景観は誰しもが映像で見たことがあることでしょう。わたしも一度は観光で行ってみたいと思っています。

ボードゲーム サントリーニ (Santorini)

ボードゲーム サントリーニ (Santorini)


それをテーマにしたゲームがこちらの “サントリーニ” です!我ながら適当な導入ですが、コンポーネントだけでも楽しめそうな本作品は大いに期待していたので早速紹介したいと思います。これ、すごく面白いですよ。

コンポーネント

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島の形をしているボードは3つのパーツから成ります。
ボードはとてもしっかりしており、マットな触感の良質なものです。
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組み立てるとこんな感じ。

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それぞれの建物は個数が多いので、なかなか体積は取ります。

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従者は3色で2種類ずつ、男女で見分けがつくようになっています。

基本ルールで必要なのはこれだけです。

ルール

一番の推奨である、ふたりプレイをするものとします。
各プレイヤーはふたりの"従者"を5×5のフィールドに配置します。
順番に手番を回していくのですが、順番に下記の処理をしていきます。

  • どちらかの片方の従者を選ぶ
  • 選んだ従者を移動させる
  • 建設をする
従者の移動

選んだ従者の移動は、必ず行わなければいけません。現在のマスにとどまったままはできません。 条件は次の通り。

  • 移動できる方向は、周りの8マスのうちどれか(斜めを含む)
  • 昇るときは一段高いところには移動可能、二段以上は不可能
  • 降りるときはどの高さでも(実質2段下まで)移動可能
  • 屋根には移動不可能
  • 既に従者がいるマスへも移動不可能

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この場合、右上の3階へは+2段階なので移動できず。
下にはすでに従者がいるので移動できません。

建設

選んだ従者による建設は、必ず行わなければいけません。 条件は次の通り。

  • 建設できるのは、隣接している8マスのうちどれか(斜めを含む)ひとつ
  • 平地⇒1階⇒2階⇒3階⇒屋根 と建設できるパーツは決まっている
  • 建設するのに自分のマスと建築物の高さの差は問わない
  • 従者が要るマスへの建設はできない

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勝利条件
  • どちらかの従者を3階に移動させたとき
  • 相手の手番で従者が移動か建設がでなかったとき

基本ルールはこんな感じ。可愛い見た目に依らずアブストですよね。

プレイ記録

インストはものの2分程で済ましてしまい、さっそくプレイ。推奨の2人戦。わたしは青い方の従者です。
初期配置は特にこうするのがいい、という方針も思い当らないので、端じゃなければいいか、くらいに適当に。
序盤も配置によって有利不利はまだ分からない、という感じで割と適当に建設をしていきます。

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中盤でこれくらいになると、少しゴールが見えてきたりします。
2階数以上の建物が出来てくると、割と相手の邪魔をしたり、逆に自分が邪魔されて移動の制限が徐々に顕著になっていきます。

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なんだかんだあり、この状態に。
次の手番で必ず3階に昇れる、いわゆる"詰み"の状態となり勝ちましたよと。

あまり展開やコツで解説できることも無いんですけど、コンポーネントが良質なこともあってどんどん建設が進んでいくのがとても楽しい、というのが軽く遊んでみての感想です。アナログゲームとしてはこれ、賞賛に値するところ。

また、ルール上では2階以上の差は昇れない、というのが絶妙です。
ある程度均等建てていかないと移動が苦しくなりますので、ゲーム終了時に出来上がった景観が必ずと言っていいほど良いものとなるのがポイントですね。写真撮影が捗りますな。

しかし、ここまでアブストなゲームで終わるかというとそうではありません。

特殊能力 "ゴッドパワー" によって広がる展開

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なかなか可愛い絵柄のこちらのカードには、ギリシャ神話の神々(や怪物)が描かれています。
各プレイヤーが1枚ずつ持ち、ゲームを通して固有の能力として持つことができます。
決め方はスタートプレイヤーが2枚を選び、もうひとりのプレイヤーが先に選ぶ、というのが公式ですがまぁランダムで引いても全然OKかと思います。

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こちらでもやってみよう、ということで、初心者向けとされているものの中からランダムで選ぶことに。わたしが引いたのは写真右側の "ミノタウロス" 相手を1マス押し出すことができます。
相手が引いたのは "アルテミス" 移動を2回行えます…これ強くない?

と思っていたのですが、以外にもミノタウロスの押し出す能力は大活躍。このゲームは相手の従者2人の位置がとても重要ですので、それを狂わすことが出来る(2階から落とせば復帰できなかったりする)のはとても強力に思えました。
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右上にいる相手の従者は押し出されたので孤立してる感があります。

特殊能力つきでやっている感じは「ゲームが崩壊しない程度の強さ」という印象で考える要素がちょっと多岐に渡るようになった、くらいで入れてもシンプルさは損なわれていない感じがします。

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なんだかんだで3階に登れることが確定し勝ち。

まとめと感想

デザイナーのDr. Gordon Hamilton氏が数学者ということで、シンプルながらとても洗練されたルールが素晴らしいですね。
ルールブックを読んだときの期待以上の面白さがあり、再プレイ欲がとても強いです。
相手の詰みを防がないといけない、どんどん手が煮詰まっていくのは五目並べをやっている感覚と似ています。

将棋のようにじっくり遊ぶメンバーでもよし。
見た目が可愛いので、何となく遊んでいても楽しい。
1プレイが10分ほどと短いのでサイクルも早い。
と、なかなかいいとこづくめでほとんど非の打ち所がないですね。
BGGランク64位(17年4月現在)は伊達じゃない!

発売する際は手配数が足りなかったのか、駿○屋予約がキャンセルされるという事態もあったようですが、人気が出るのも納得の完成度の高さです。 時間をかけて何度も遊ぶもよし。ゲーム会に持っていきカジュアルに遊ぶもよし。持っていて絶対に損することはない、間違いなくオススメできる良ゲームです。


もちろん、拡張 “黄金の羊” も購入しています。こちらはまだ遊べていないので、できればレポートしますね。