将軍のお座敷遊戯ブログ

人狼の戦術論、ボードゲームのレビューやプレイ記、その他趣味のことや下らないことまで思いつくままに書いていくブログです。 Twitter アカウント: @ino_1ban

【ボドゲ紹介】マンション・オブ・マッドネス 第2版 ~探索者、死にたまふことなかれ~

マンション・オブ・マッドネス第2版 完全日本語版

マンション・オブ・マッドネス第2版 完全日本語版

いっぱしのTRPG好きでもある僕としては興味津々であった「マンション・オブ・マッドネス」の第2版、完全日本語版で昨年末に発売されました。箱の大きさや値段など考慮して買い控えてはいたのですが、ありがたいことに遊ぶお誘いをいただいたので本日はそれを元にした内容になります。

※シナリオをクリアしていくゲームという特性上、今回の紹介記事はストーリーのネタバレにならないよう配慮しておりますのでこれから遊ぶ方もご覧いただけます。また写真少なめであることをご了承ください。

システム、ゲームの進め方

大まかな流れ・ルール

各プレイヤーはそれぞれ能力値が異なる探索者となり、建物に入ったところに集まったところから始まる。
この時点では明確な勝利条件などは明らかになっていないが、協力してひとつの目的を達成していくことになる。

  • ”探索者フェイズ”において、各探索者は任意順で2回の手番を使い、部屋の移動、探索、敵の戦闘を行う
  • 全ての行動を終了すると”神話フェイズ”に移り敵が行動を開始する。プレイヤーは攻撃や恐怖による精神的ダメージに耐えなくてはいけない
  • あらゆる判定の多くはダイスの出目で決まる。いくつ振れるか、はイベントの内容と探索者の能力によって異なる
  • これらをターン制で繰り返し、物語を進めながら目的を達成(基本的には生還しての脱出?)する。

アプリの指示に従いながらゲームが進行

このゲームはスマホタブレットでのアプリを使用することが前提となっております。初めの部屋のタイルの置き方や探索できる場所の配置戦闘での処理など、指示の多くがアプリで表示されますのでそれを全員で見ながらのプレイとなります。ときには、アプリ上でパズルを解いたりもします。

一番やさしいシナリオを4人プレイ

まず初めにすることは、8種類の探索者のうち自分がどれを担当するかを決めます。
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僕のTRPGでのお気に入りのキャラの職業が神父ということもあり、こちらの「ファーザー・マテオ」を選択。「集中状態」というダイスの出目をよくすることができるサポート能力を上手く活かしたいところです。

キャラを決め終わったら、アプリの指示に従いマップとトークンを配置します。何故探索者たちがこの建物に来ることになったのか?は語られているのですが、そこで何をすればいのか、具体的な指示はプレイヤーたちも把握できておらず、別の部屋もドアを開けて見ないと何があるのか分からないため、まずは探索をしてみるしかないのかな、という状況です。

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スタート時点でのマップ。まだ廊下しか見えていないためどんな恐怖が待ち受けているのか…

現れる敵、見えてくる真相

別の部屋へのドアを開け、調べられそうなところを探索しているといろいろと情報が落ちてきます。次第に、このシナリオの元凶が何なのか、探索者は何をするべきなのかが明確になってきます。そしてそれと並行して敵(怪物、神話生物やそれを崇拝するカルト信者)たちがうようよと出てきてその対応がしんどくなってきます。

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1体の敵を3人で迎え打とうとしている様子。ダメージは免れません。

処理条件を目前にして、探索者の発狂、そして死亡…

クトゥルフ神話の世界では、探索者たちは神話生物や奇怪な場面に遭遇したときに精神にダメージを負います。「SAN値が減る」ってやつですね。
このゲームでもそのシステムは健在で、各探索者には物理ダメージによって減る体力の他に「精神力」というパラメータを持っています。

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左に並べられた赤いカードが体力のダメージ、右が精神力のダメージを意味します。

精神力は敵の攻撃という直接的な原因で減るだけでなく、ただ「同じ部屋にいるだけで」減っていきます。よってできるだけ逃げたいところですが目的を達成させるためにはただ離れる訳にはいかず…ここの塩梅が難しいところでした。
精神にダメージが蓄積し、ついに探索者のひとりが狂気に陥ってしまいました。これはランダムでカードを一枚めくり、本人だけがそれによるデメリットを確認します。内容は様々で、勝利条件が変わるもの、もあるため協力体制が崩れてしまう可能性があります。協力ゲームのはずが、デッドオブウィンター<紹介記事>みたくなってしまいます。

体力の方は、一度ゼロになってもすぐにロストとはなりません。まず「負傷」状態となり、蓄積していたダメージが一部取り除かれますが行動に制限が出ます。そのあと、もう一度ダメージが体力まで達するとその探索者は死亡となり、あと1ターンで勝利できなければ敗北となります。

怪物に囲まれ、ダメージを負っていた探索者が負傷状態となり、さらなる攻撃に耐えられず死亡、最後のターンで勝利条件を満たすことができずにゲームに敗北してしまいました…2時間ほどかかった我々の探索はここで終了、いいところまで行っていたのでなかなか悔しいですね。

二度目の挑戦は超スムーズ

他のシナリオをやる時間はなかったので、同じシナリオを再挑戦することに。

先ほどの失敗を教訓に、できるだけ敵に遭遇しないよう、また最深部へ進むために最短ルートを辿るようにしたところ、30分もかからずクリアしてしまいました。どこで何が起こるかの未来が見えている状態だったため、まぁ当然っちゃあ当然ですが、それだけ「何が起こるか分からない」ことがクリアをする上での障壁となっていた、と言えるのかなと思います。

状況によって展開が変わる!

クリア自体はなんなく、だったのですが2回目のプレイでは1回目に出てこなかった強敵が突如現れ、探索者たちは予想外の展開にド肝を抜かすことになりました。焦りはしたものの敵のさばき方は学んでいたので、あまり脅威とはなりませんでしたが、初プレイで出ていたら相当な絶望感だったと思います。
このイベントが何をトリガーにして起こったのか?は謎のままでした。アプリによる進行が故の特性かもしれません。一応、そのあたりを探ったり別のイベントがないかを探すため、またはこのシナリオではありませんでしたが、やるたびにマップが変わる、という噂を来ていますので、同じシナリオを複数回プレイする楽しみもあると言えるかと思います。

感想:強力型ボードゲーム?むしろRPGやってる感じ

もともとクトゥルフ好きということもあり、ゲームとしては終始わくわく、めっちゃ面白かったです。

そのわくわくは主に「次は何が起こるんだろう、予想できん」という気持ちに起因します。
ある場所を探索した結果何が起こるか分からない、敵と戦闘するにも毎回ダメージを与える(受ける)判定が変わると、何をするにしても「蓋を開けてみなければ分からない」というゲーム性な故に「ここをこうして、次にこうしてこうこうしていけばクリアできるはずだ」というボードゲームをやる上では当然行う理詰めの思考が、少なくとも初プレイではほとんど必要ない、というかやってもどうせ瓦解します(笑)

ですので、プレイしている感覚としては協力型のボードゲームをしているというよりは複数人でRPGを楽しむといった感覚に近いです。まさにクトゥルフTRPGを遊ぶ人には刺さると思います。

「マジかよなんか出てきた!攻撃される!」
「こいつは俺に任せろ!武器持ってるから倒せる!」
「やべー!怖えー!ドア開けたくねー!」

…というノリを楽しめるメンバーと遊ぶことをお勧めします(笑)。逆に言うと、そういう盛り上がりの演出はそこそこ良くできており、駒は大きくリアルですし、導入とエンディングは日本語フルボイスで喋ってくれたりします。

アプリが進行してくれる、という点についてですが、アプリに従っていれば安心!と言い切れるほど親切な設計ではないです。というのも、アプリが行うのは一方的な指示だけであり、こちらの行動をインプットしてそれについて教えてくれる、という場面は最低限に抑えられています。ゲーム中には「これってどう処理すればいいんだ…?」という場面が割と何度もあり、その度に自分たちでルールを決めて処理を行っていました。
僕自身は見ていませんが、ルルブを読んでいた方からすると「どこにも載っていないから分からない」だったそうで、別の問題もありますが個人的には開封してアプリを起動すればすぐに始められるくらいの親切設計で合って欲しかったな、と思っています。そうすることでアナログゲームって言っていいのかこれ?ぐらいになっても構わないんじゃないかと(笑)。凝ったコンポーネントは雰囲気作りのためとして割り切る、という具合でも受け入れられたんじゃないかと思います。

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もちろんいるぞクトゥルフの落とし子。その強さ、恐ろしさはいかに…

協力ゲーとしてマジになってクリアを目指すのも良いですが、物語を楽しもう、探索者になり切ろうという気持ちで臨むのがこのゲームの個人的なお勧めの楽しみ方、となります。
早く次のシナリオの探索にでかけ、絶望の中、できればクリアしたい!という気持ちでいっぱいです。