ボードゲーム将軍のお座敷遊戯ブログ

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連続護衛なしのレギュで勝つ作戦 -吊り余裕編-

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いよいよ占いCOを募る3日目に焦点を当てよう。

以前に書いた状況は振り返ってみると煩雑に見えて反省している。

それもあって、分かりやすくするために下記を例として今後の動きを想定してみよう。

◆3日目 生存者:9人

- 初日の霊能2COを2日かけて処刑し、それぞれの夜に襲撃者が1名ずつ
- ここで占い師を募ったところ、2名からCOが出た。その結果は以下の通りである。

Aさんの結果:
B○ C○ D●

Bさんの結果:
E○ F○ G○(昨日襲撃で死亡)

誰からも占われていない:H、I

実に痺れる展開である。まぁここまで綺麗にいく状況というのも多くないかもしれないが、誰を処刑するべきか、その考え方から紐解いていこう。

 

◆まず何よりも吊り余裕を知ろう

ここでひとつ質問。

- 上記の状況で、吊り余裕はいくつか?

こう聞いて、ぱっと答えられる人はどれだけいるだろうか。
この話題を村で出しても、どうも空ぶる気がするというか、情報として軽視されているように思えなくも無いので、少し丁寧すぎる程に解説していく。

そもそも「吊り余裕」とは何か?
平たく言うと「あと何回、村人陣営を処刑しても確実に明日勝負ができるか」である。
滅びる、ではなく「勝負ができる」と表現したのはPPの可能性を排除したことと、僕がバランス吊りをする上でのスタンスみたいなものの表現も兼ねてある。

算数で求めるならば
(現在の生存者数ー1)/2-生存人外数
で求めることができる。小数点以下は切り捨てよう。
TLPTルールの初日にコレを当てはめると。(13-1)/2-4=
で、吊り余裕は2、つまり初日から2回までは間違えてもまだ村は続くことが約束されている、ということになる。

では、上記の3日目の例だといくつになるか?

ここで重要なのが、初日に霊ロラをしているという情報である。

2日かけて処刑した霊能候補2人は片方が真、片方が人外であることが誰から見ても明らかなので、村陣営がひとり、人外がひとり死んでいることは全員視点で確定している。よって、ここでの吊り余裕を式に当てはめると「1」であることが求められる。
(そういう進行にしているため、ここでは両偽や村語りが紛れ込んだ可能性は追う必要が無いとして差支えないだろう。)

さて、現在の状況だと吊り余裕は誰からみても1である。

しかし、吊り余裕というのは誰視点でも常に同じとは限らない。

順を飛ばしてしまうことになるが、ここで片方の占い師Aから人狼と言われているDをその日に処刑、誰かがひとり襲撃され7人で4日目を迎えたしたことにしよう。ここで初めて、占い師から見た吊り余裕に差ができたことになる。

A視点:(7-1)/2-2=吊り余裕は「1」

B視点:(7-1)/2-3=吊り余裕は「0」

※視点、という言葉があまりすっと入ってこなければ「を信じた場合」に置き換えてみよう。

つまり、A視点Dが人狼になるのだから、まだ吊り余裕があることになる。
しかし、BからするとDの正体は人間である可能性が高いため、大事な吊りをひとつ消費した、これでいよいよ「村人を処刑したら負ける」状況がBにとって来たわけである。
(ここでDの正体がB視点でも人狼の可能性はあるが、その希望的観測を前提に話を進めるのはナンセンスだ。常にワーストケースを想定するべきである。)

 

◆吊り余裕を元に、どう考えるか?

では吊り余裕を求めたのはいいとして、それを持って何をすればいいか?
それはずばり、その数を村全体での共通見解としてにその日の処刑対象を誰にするかを選ぶことに尽きる。

下記の3パターンで考えてみよう

①吊り余裕が全員視点で1ある(上記3日目の状況)

⇒明日の議論を見据えた処刑をしよう

誰を処刑しても明日勝負ができるので、処刑対象はまだ柔軟に選ぶ余地がある状況と言える。基本的には「人狼と疑わしきものを処刑しよう」の考えで問題ないように思える。

特にこの状況では、Aの黒出し先であるDを処刑しよう、という人が多いはずだ。

それは下記の点において合理的である。

- 占い師候補のふたりを残すことができる(明日も情報を聞き出すことができる)

かつ

- 吊り余裕がA視点で、明日も1確保できる

ここでのポイントは共に「明日」を見据えている点と、「人狼を処刑できた=勝利に一歩近づいた可能性」という直接的なことには触れていないことになる。

人狼を全員処刑するということが目的であるゲームだが敢えてそこを無視しているのは、それが誰を信じるかによって見解がひとりひとりで変わってきてしまうからだ。ようは議論の争点である。

人狼から離れて、何かについて決め事やブレストを行うときは、必ず「今こういう状況で、こういう課題があって、これを目的として、だから何々を決めなきゃいけない。」という風に全員が事実を共通見解として持っていることが前提となっているはずだ。

誰を信じるか問題、は上記のフェーズを合わせてからで遅くはない。

それを怠ると、水掛け論に終わる危険性が高いと僕は考える。

まだ語りたいことはあるが話が発散してしまいそうなので、Dを処刑したとして次の日の話に移る。いよいよ吊り余裕を意識する意味に本格的に踏み込むことになる。

 

②吊り余裕がゼロの人がいる(①からDを処刑した4日目)

⇒まずは吊り余裕のない人を信じることにする

既に申し上げた通り、この状況での吊り余裕は

A視点:1
B視点:0

である。 つまり、明日で村が負ける可能性があることを意味している。

 

ここで僕が主張したいのは、話の前提を「Aを処刑することをベースに進める」ことだ。今日はBを信じることになる、つまり吊り余裕に差があるのでフラットに見るべきではないとも言える。

そして、この考えは「確実に明日を迎えること」を優先事項としている。何度か言っている通り、その事実は全員が共通して認識できる、事実自体は誰にも突っ込みようのない村にとってのメリットだからだ。

その前提があったうえで「明日が終わるリスクがあることは承知している、それでもわたしはAのことを信用しているので投票したくない。その理由は…」という風に議論を進めるべきなのだ。その意見に賛同できない点があるのであれば、Aに投票すべきだろう。それこそが、明日を見据えた投票である。

 

◇ポイント:吊り対象を占い師にする理由

これは核心ではなくテクニックの話になるが、もしBが昨日、人狼判定を出していたとしたらどうか?その人を処刑すればいいのではないか、と思われるだろう。

そこにはひとつ大きなリスクが存在する。実は吊り余裕の話で、ひとつ付け足すべき視点が存在した。

A視点:1
B視点:0
襲撃された潜伏占い師(Jとする)視点:0

いわゆる両偽の可能性をここで考えるべきなのだ。つまり、B視点の人外だけでなくJ視点での人外を処刑することが、本当の意味で明日を確実に迎えることになる。

これが、バランス吊りとよく呼ばれているものである。

やはり長い文章になってしまったので、今回の記事は吊り余裕に焦点を当てたものとして、本来語りたかったバランス吊りについては次回に回すこととする。どうも文章を書いていて言いたいことが伝えきれるのか、自分の中で不安なところがあるのが正直なところである。あまり腹落ちしない内容だったら申し訳ない。できる限り次回に補足していきたいと思う。

 

次回の記事で僕が主張したいことを先に記して締めとする。

 

バランス吊りは安全策でも逃げでもない

早とちりな決め打ちこそが逃げなのだ

以上