ボードゲーム将軍のお座敷遊戯ブログ

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連続護衛なしのレギュで勝つ作戦 -占い潜伏編-

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僕がこのブログで人狼の戦術について書こうと思ったのは、意識高いアピールをしたいということだけではなく、みなさんに視野を広げて欲しいためである。

戦術を知ることをボーリングに例えると、ストライクの出し方を学ぶのに似ている。

ひとりで集中できる環境で、黙々と投げ続けスコアをストイックに追い求めることはボーリングがスポーツであるという観点からするとある意味正しい嗜み方だと言えるだろう。

一方、大勢で酒でも飲みながらワイワイとするボーリングは楽しいものだ。どちらかと言えば大衆娯楽として受け入れられているイメージはこちらにあたる。その場ではベストスコアを追及することは諦めている、といっても間違いではないだろう。
(ひとりの方が集中できるし、酒など飲んでる場合ではないのは言わずもがな)
極端な話、ピンを一本も倒せなくても雰囲気で楽しみ事はできる。前者とは目的が違うのだ。

しかし、そういう場でも華麗にストライクを取れた瞬間は盛り上がるものだ。
ガーターばかりでグダグダになるよりは、ある程度は本来のボーリングで目指すべきところ(ピンをたくさん倒す)というところに視点を置くべきであり、そのための知識やテクニックを身に着けることは、どのような嗜み方を選んでいても損はないし、選択の幅が広がるというものだ。

 

人狼においても、セオリーや内訳整理の基本と言ったロジックのところを学ぶこと自体に損はないと断言する。そうすることで広がった視野を利用してどう人狼を楽しむか、をあなたが選べばいいだけの話だ。

前説はこんなもので、早速前回のブログで提案した進行の詳細を語る。

 

◆初日の進行の意図、霊ロラと指定吊りについて

まずこの進行全体の根本には「一番大事な役職は占い師であり、できるだけ長生きすることが村の勝利の可能性を高くする」という思考がある。
この思考自体に異議を唱える人はまぁいないと思う。長生きすればそれだけ結果が多く残るのだから。

では長生きさせるための手段は何か?

人狼ゲームにおいて人が死ぬ手段は2つ。昼の処刑と夜の襲撃である。
逆を言うとこれ以外には(このレギュにおいては)存在せず、もしどちらかの可能性を排除することができれば、特定の人が死亡する確率は半分に抑えることができる。
(ほとんど暴論である自覚はある。噛み砕いた表現をしたまで)

それを狙っての霊能ローラー、及び指定吊りの進行である。

前者に関しては完全な割り切りである。
霊能の残す情報はとても大事であることを承知の上で、僕はローラーが有用であることを提案している。
その霊能の犠牲による見返りとして、
・占い師の死因を襲撃のみに限定できる(いわゆる占い保護とか呼ばれる)
・3日目に1人外死んでいるという確定情報を元に進行させることができる。
具体的には、占い決め打ちの日を4日目に伸ばすことができる=それまでの占い結果は最大で4つになる。

これは人狼を見つける手段として、つまり人狼にプレッシャーを与えるという意味でお釣りがくるほどの見返りだと思っている。
(僕なりに「思考」して行きついた結果がこれなんだけど、それでも思考停止っておっしゃるか?)

後者の指定吊りについても、目的は言わずもがな占い師にCOさせないことである。
指定の対象を増やして本物を当ててしまっては元も子もないので、COが無いことを確認したら絶対にぶれずに吊ることが大事。
もし占いCCOが出たら?
本物でないことを祈りつつ、その情報も加味して別のところを指定しよう。
その日の夜に襲撃されなければ人外と疑うことができるし、結果的には真占いの占い対象も狭めることになる。
(ここまでやって、ようやっと「人外に騙らせる」ことができたと言える。このレギュなら人外全潜伏でも十分勝てるのだから、出てきた人外はやりたくてやってるだけなのだ)

 

◆このレギュでは占い潜伏の一手

さて、いよいよこの進行の肝である「占い師は潜伏の一手」について語りたいと思う。
ぶっちゃけ、指定でもされない限り、早々にCOする理由の方が少ないと思うし、それは人狼に有利なことをしているに過ぎない、と思ってる。
噛んでください、と言っているようなものと考えるからだ。

まず、この考えはほとんど「狩人が連続で護衛できない」ことに起因する。
そんなこと知っとるわ、と思われてしまいそうだが理解していない方が多いように思うので敢えて書く。

要は初日に出てしまうと、その占い師が生きられるのは人狼がその気になれば良くて2日目までである。下手すりゃ1日目で日の光を見るのが最後になるだろう。

言わずもがな、それは襲撃されることが理由に他ならない。

この場合に残せる情報としては占い結果が2つ。それだけ残して襲撃されて死ぬことは、占い師として全うな働きをしたと言えるだろうか?
初日に占い師が出ることを提案するのであれば

「僕が人狼だったらその人を喜んで噛みますが、それでもいいんですか?」
という疑問に答えられる人だけにしてほしいと思うのが心情ではある。
(その反論として「大丈夫、きっと人外が騙ってくれるよ!」という謎の希望的観測はよく聞かれるが、何が大丈夫なのかを小一時間問い詰めたい

それでも腹落ちしない人に、ひとつ誘導尋問チックなことをさせてもらいたい。

このブログを読んでいる人ならば馴染みのある、オープンルールで良く使われる、
「初日占いなし、狩人なし -レギュ①」において考えて欲しい。
(これは役職が全てオープンになることで必要になるバランス調整のために採用されているという背景があるが、オープンルール自体は今回の話とは関係なくはないけど便宜上考慮しないこととする)

【質問】そのレギュにおいて、占い師は初日にCOするべきであるか?

これに対して、はいそう思います、と答える人はまぁいないと思う。
理由は簡単で「何も結果を落とさずに初日に噛まれて死ぬから」である。
これは僕が主張している、初日に「占いは潜伏の一手」であることとイコールだ。
99%の人がこのような思考を持つ、という前提でこれ以降の話を進める。

では、同じことを下記のレギュではどう考えるだろうか。

「初日占いなし、狩人あり(連続護衛なし) -レギュ②」
ちょっと村側が有利になったレギュである。
もしかすると、少しは初日にCOしてもいいと思う人が出てくるかもしれない。99%が90%くらいにはなるかもしれない。
ただ、それでもこの占い師が残せる結果は良くてひとつ、よほど運よく人狼に当たったらいいねと思うくらいである。
ひとつ前の狩人無しのルールでは「占い師は噛まれて当然」と思われていた。
連続護衛なしの狩人が入ったことを理由に、それが当然でなくなる理由はあるか?僕は無いと思っている。確実に殺せるのが初日夜から2日目に延びただけの話だ。

また同じ理屈で
「初日白通知あり、狩人なし -レギュ③」
についても同じ風に考えていただきたい。僕はこの場合でも初日に出るべきではないと思う。ひとつ前のレギュと落ちる情報量はほぼ同じだからだ。

そしてレギュ①から、②と③でひとつずつにプラスした村が有利になる要素を共にプラスした結果がどうなるかと言うと、
初日白通知あり、狩人あり(連続護衛なし)
あっという間に、TLPTルールになった。

ここで改めて問いたいのは、このTLPTレギュにおいて「占い師は初日潜伏の一手」を否定する余地はどこにあるだろうか?
つまり、初日占い無し、狩人無しのレギュから今の過程を経て、その思考の変化が起きたのはレギュ①②③のうち、どこに起因するのか?を考えてみてほしい。

僕にはその変化が起きなかったので、「占い師は潜伏の一手」を推している。
(ここで僕と違う結論に至った方とはそのあたりについて大いに語ることができれば幸いである、皮肉とかじゃなく純粋に議論がしたい)

ここで、その変化点について
「潜伏中に噛まれると何も情報を落とさずに死ぬことになる、そのリスクと落ちる占い結果の量を天秤にかけた結果、COしていいと判断した。」
という風に思う人がいたかもしれない。
※この潜伏中に役職が噛まれることをネット人狼では「ゲゲゲ」と呼ばれている。あまり対面では一般的ではないが便宜上、この語源が謎の用語を使っていくこととする

この点について、確率の観点から触れていく。

提案した進行の初日、人狼から見た噛み対象は9人、または8人である。
つまり占いのゲゲゲが起きる可能性は初日で悪くて1/8
2日目では処刑された人物の陣営に依り1/7か1/6である。
(間違ってたら教えて)
対面人狼においては人の挙動や発言の癖などが現れるため、潜伏能力者を当てる精度は
低くなることは恐らくない。実際の確率はそれよりいくらか+αがあるだろう。

だが、それにしてもこのくらいのリスクは潜伏を選ばなくなるほど大きくはない、と僕は考える。そのリスクをかいくぐった見返りとして、霊ロラのところでも申し上げた通り、3日目のCOで占い結果が3つ、狩人を考慮すればその翌日にも高い確率で情報がひとつ追加されるのだ。
(ここまで情報が落ちた占い師を真で確定させることは人外にとってかなり嫌なはずなので、それを避けるために「騙り」というテクニックが存在し、それは人外が勝つためのものに他ならないのだ。)

 

思いのほか占い潜伏の話が長くなってしまったので今回はここまで。
次回は3日目以降の進行とバランス吊り、ケア吊りについて語っていく。

以上